おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
メグを待っている間、リンネとエリックはスーラ村を訪れていた。
鉱山はいったん閉鎖されることになり、今後は王家がこの鉱山を管轄することになったので、実際に場所を確認するためだった。

今までは地方の貴族に統轄を任せていたが、また同じように他の貴族に統轄を任せてしまうと、今回と同じようなことが起こりかねないとリンネが判断したからであった。

正式に皇太子として任命されたリンネはある程度の権限を使うことができるので、鉱山を封鎖することに反対意見は出なかった。
反対意見が出なかった要因としては、リンネがスーラ村に対して1年間税金を徴収しないと明言したということもあった。

スーラ村は現在、鉱山から以外の収入はほとんどなく、鉱山が閉鎖されれば生活が困窮するであろうということが目に見えてわかっていた。

リンネは村人が困窮することを防ぐために、代替案として農地開発を提案した。
まだ農地として使用するには程遠い土地ではあったが、王宮から農業に詳しい人を派遣するという約束をスーラ村の村長に約束した。そしてスーラ村で収穫された余った野菜を3年間は優先的に買い付けるという約束もした。

それを聞いた村人は最初不安に感じていたが、ちゃんと支援してくれることを知り、安心したようであった。
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