おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
スーラ村に数日滞在した後、ふたりはアランの屋敷へと戻ってきた。

ふたりがいない間、メグがひとりで屋敷をきれいに掃除し、戻ってきたころには塵ひとつ落ちていない、まるで新しく作られたばかりの屋敷のようであった。

「お待たせしてしまい、申し訳ございません。
やっと自分の満足のいく結果になったのでもうここを離れる準備ができました」

メグはやり切ったすがすがしい顔をしてリンネたちに言った。
その日に屋敷を出発することも可能だったが、最後にメグもゆっくりと過ごしてほしいとリンネが言ったため、出発は明日の朝になった。

翌朝、リンネたちは馬車に乗り込み王都へと向かっていた。

「申し訳ございません。私がおふたりと同じ馬車に乗るなんて…」

「気にしなくていいわ、あなたはわたしのメイドなのだから私と一緒の馬車に乗っていても何の問題もないでしょ?
そうよね、エリック様?」

急に話を振られたエリックは短く「ああ」と返事をした。

「ありがとうございます。
今後はリンネ様のお役に立てるように頑張ってまいりますのでどうぞよろしくお願いします」

自分を受け入れてくれたリンネたちにこれから仕えていこうと、この日メグは改めて心に決めたのだった。
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