君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
摩擦




「そう」


 おれの名前を呼ぶ、茜の声は今までとなんら変わりない。
 
 だから、それがやるせないような、そんな色を含んで聞こえてしまうのは、おれの願望の所為に違いなかった。






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