君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―
たぶん、3人でこんな風に飲むのも、会うのもほぼ半年振りといっても良い。
茜は、久しぶりのこの集まりに必要以上にはしゃいで見せている。
創も全く、半年前と変わらない。当たり前のように家を提供して、少しだけ困ったように笑いながらも、それでも楽しそうにビールを手にとっている。
以前と同じ。変わってしまったのは、俺だけ、なのだろうか。
酔っ払ってしまいたかった。何も考えたくない。
そうすれば、昔に戻れるのだろうか。
「……タケ、お前ひどい顔してるぞ」
創が囁くように、そう言う。
俺は何も返せなかったけれど、創は気にした様子は見せなかった。かわりに「なぁ」と袖を引く茜の話相手に戻っていった。