君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―

「……なんで、繋がらないんだよ」


 茜が酔っ払ってわがままを言うタケを引きずるようにして連れて帰ってからもう二時間は経った。
 茜ひとりで無事に送り届けられたのか心配で、おれは家に着いたら返信して欲しいとメールを送った。それが一時間前の話だ。

 おれは何度目になるか分からないリダイヤルボタンを押して、茜の番号を呼び出した。
 ぷるると呼び出し音が続いた後、機械的なアナウンスへと転送された。


「……っ!」


 形になりきらない焦燥をもてあまして、がんとテーブルに拳を落とす。
 乱雑に置かれていたビールの空き缶が高い音を立てて、飛び跳ねて、それに思わず舌打ちをした。


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