君の匂いを抱いて祈った。―「君が幸せでありますように」―









 茜の笑顔を守るために、心を守るために、そしておれ自身を守るために、茜には男であり続けてもらいたかった。

 それが茜にとって、どんなに酷であったのかなんて、おれにはちっとも分かっていなかったんだ。







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