スノードロップ*01

プロローグ

どんなに手を伸ばしても届きそうにない太陽が、さらに高い所へと昇ってしまった、そんな時間の駅周辺。

ここでは今日もたくさんの人が忙しなく思い思いの場所へ向かって歩を進めていく。

携帯で連絡を取りながら停まっていたタクシーに乗り込むサラリーマン。しきりに時刻を確認しながら駅へ向かって走っていく学生。たくさんの買い物袋を持って、話ながら近くのショッピングモールに入っていく親子。



それぞれが自分のことに夢中になっている時は、何か大きな騒ぎが起きない限り他人のことなど目にも留めないだろう。













ーましては
"異世界"から別の人類が、静かに現れていたとしても。
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