約束のエンゲージリング


咄嗟に嘘をついてしまい、後悔に襲われる。



軽い女だと思われた?

こんな女、妹でも無理だって思われたかも。







想いが報われなてもいい。

寧ろ嫌われて幻滅された方が一層、楽だと分かってる。


それでも心の何処かでやっぱり彼に嫌われたくないと思ってしまう。








2つの感情に揺さぶられて、一杯一杯になって制御できない。

結局、我慢できずに涙が溢れた。










本当に情けない。

一度爆発した感情は行き場を失い、涙を止める事も出来ない。




すると急に身体が宙に浮き、彼から優しく抱きかかえられた。







「っ!?!?」



お姫様抱っこのような体制にパニックになり言葉を詰まらせていると、その体制のまま入り口から部屋の奥の方へと連れて行かれる。

ゆっくり降ろされたのはベットの上で、そこでようやく目が合った彼は困ったように優しく微笑み、頬に流れる涙をすくった。












『泣かせてごめんね。いや、今まで辛い思いさせてごめん。沢山傷つけてごめん。、、それと嘘つかせてごめん。身体も、、無理させてごめん。でもこれだけは言わせて?』



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