約束のエンゲージリング
すると唇が離れ、クスクスと彼の笑い声が聞こえてきて恥ずかしくてその場から動けず顔も上げられない。
そんな私を見兼ねた彼が優しく手を引いて部屋の中まで連れていってくれる。
『ずっと引っ越し作業で流石にお腹も空くよね。俺が電話しようか?』
「う、ううん、、!大丈夫!!私が電話するっ!今日は私がご馳走するって約束だったでしょ?マサさんはそこのソファーに座って待ってて?」
気持ちを切り替えて携帯を取り出し寿司屋に出前を頼んだ。
折角良いムードだったのに自分の空気の読めなさに腹が立つ。
「お寿司が来るまで飲み物でも飲んで?コーヒー?それともお茶がいい?」
『お寿司だし、お茶をお願いしようかな。』
「了解〜。」
キッチンに向かってお茶を入れていると、ソファーに座っていた筈の彼が急に立ち上がった。
「ん?マサさんどうしたの?」
『出前が来る前に一度部屋に戻って着替え取ってくるよ。今ならまだ外も薄っすら明るいし、暗くなってから千佳を1人にするのも心配だしね。』
「あ、、うん。」
『じゃあ行ってくるよ。直ぐ戻るから。』
そう言うと颯爽と出て行った彼。