「烏丸迅の京都事件簿」
ーガラッ…。

「うわ、烏丸来た。」
教室のドアが開くと、山崎さんに話しかけてた男子が席に戻って行った。

(烏丸…?京都の駅名…。)
山崎さんはその名字に興味を示した。

「ん?何やあいつら、俺見てそそくさと。」

「烏丸くんおそよー!
ねぇ、ドアに竹刀引っかかってるよ?」

「うわっ!?危ね!親父の形見やのに!」

ドアに一番近い席の花田さんが、烏丸に挨拶した。
彼女はこのクラスでは1番可愛いと評判のクラスメイトだ。
ふわっとした栗毛の目のパッチリした小動物系女子である。
「あはは!そうだ!烏丸が話しかけてあげたら?」

「何が?」

「山崎さん。このまま喋らないと、友達も出来ないしイジメられちゃうかも。」

窓側から3列目の1番後ろの席に座る山崎さんを、心配そうに見つめて言った。
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