片想い同盟
……あいつに言ったらきっと、笑われるんだろうな。それとも呆れられるかな。
だから言っただろ、とか言われそう。
自分でもバカだと思うし、きっと拓海だってこんな状況めんどくさいと思う。
……でも。
「うわっ、びびった〜。……え、何してんのお前」
校門を出て右に曲がった角のところに現れた部活帰りの拓海は、そこでたたずむ私を見つけて驚いたように声をあげた。
制服がよっぽど暑いのか、ワイシャツのボタンの上3つがしまっていない。
鞄とは別にスポーツドリンクを手にして飲み歩きしてるところを見ると、今日は大活躍だったのかな。
「お疲れ様」
「あ、うん、さんきゅ。……って、そうじゃなくて」
いま何時だと思ってんの、と拓海は言う。
わかってるよ。もう外が真っ暗だってことくらい。でも、仕方ないじゃない。