片想い同盟
周りのことなんて気にするそぶりすらない拓海は、私をいろんなところへと連れ回した。
「え、ねぇあれ欲しい」
「は?趣味悪くね?」
「そんなことないよ。すっごく可愛い」
「ったく、仕方ねぇな」
ゲームセンターで思いっきり戦ったあとで、私の好みのぬいぐるみをUFOキャッチャーで取ってくれたり。
「ほい、イチゴ味」
「わーいっ、ありがと!」
一緒にアイスクリーム屋さんに行ってくれたり。
相変わらず手は繋がったままだけれど、それすら楽しい要素でしかなくて、ひさびさに思いっきり笑って過ごした。