片想い同盟
「プッ、お前、口についてる」
「えっ、うそ!」
「それでも女子かよ」
アイスを食べながら歩く道で、ケラケラ笑いながら拓海は私の口に触れた。
口にアイスつけるとか、なんて女子力のなさだとは思うけれど、拓海はなんだか楽しそう。というか、バカにしてる。
私の口を拭うと、拓海はその親指をペロリと舐めた。
「えっ、ちょ……っ」
「ん。イチゴもアリだな」
なんの躊躇もなくしたその仕草は、さすがの私もびっくり。
あげくに「もう一口ちょーだい」と私のアイスをパクリと食べるものだから、思わず目を見開いてしまった。