片想い同盟


「ねぇ、遠山さん」

「……っ!」


また一歩下がろうとしたら、そこはまさかの体育館の壁。


ち、近い……!

遂に追い詰められたと理解したときには、もうすでに肩をガシッと掴まれていた。



「ちょ、ちょっと……っ」

「仲良くしようよ、遠山さん」


ちょっとこの人、しつこい……!


振りほどこうとしても男子の力に敵うわけもなく、肩はさらにギュッと力を込められる。


「……っ」


痛い。触らないで。

そう言いたいのにうまく声にできない。


どうしようかと必死に頭を働かせようとした、そのときだった。


< 199 / 341 >

この作品をシェア

pagetop