片想い同盟
耳元に拓海の吐息がかかる。
後ろから抱きしめられてると言っても過言ではないこの体勢は、ただただ私のドキドキを加速させるだけ。
た、拓海相手にこんなのって、ナイ。
ナイナイナイ。ていうか不本意だ。
そう呪文のように言い聞かせて、拓海から一歩距離をとる。
「な、なんでいるの」
「そんな真っ赤な顔で言われても」
「……なっ!し、質問の答えになってない!」
ムッとする私に拓海は至って平常運転。
部活は?心配して来てくれたの?なんで付き合ってること否定しないの?
言いたいことが多すぎて上手くまとめられない。