片想い同盟



「不毛だね」

「うっせ。つかお前にだけは言われたくない」

「あははっ、たしかに」



拓海は白石さんが好きだから、優希くんを見ていた。だから、その優希くんを見ていた私に気付いたわけだ。



「言ってくれたってよかったじゃん。水くさいな」

「バーカ。こんな笑えねぇ話言えるかよ」



確かに、こんな偶然な展開はそうない。

拓海が言いたがらなかった気持ちもわからなくはないし。


けど。



「よかった。私だけじゃなくて」


こんな言い方、最低かもしれないけど。それでも、そう思ってしまうんだから仕方ない。



「拓海も同じなら、心強いね」

「……お前、この状況わかって言ってる?」

「うん、わりと」

「おぉ、強者」



< 38 / 341 >

この作品をシェア

pagetop