片想い同盟


なんでこんなことに……。


女子更衣室に向うことすらできず、私はその手前の渡り廊下奥で知らない女子4人に囲まれていた。



もうとっくに着替えている4人。ジャージの色を見る限り、同じ青色だから同学年だ。どのクラスの子たちかは知らないけれど。


もう、勘弁してよ。私だって早く着替えたいのに。


高校生にもなってこんなリンチみたいなことをされるとは思わなかった。



「あんたがここ1ヶ月、拓海くんと歩いてる目撃情報があるの。しかも、夜に」

「はぁ……」


もう呆れて何も言い返す気にもならない。



今日までの間、たしかに拓海は飽きもせずに私の練習に付き合ってくれた。


夜遅いってことで、わざわざ家まで送ってくれてたのも事実。


でも、だからなんだというんだ。誰よ、そんなの目撃して広めたの。



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