片想い同盟
「わっ、次優希くんのクラスと対戦なの!?ちょ、勝たないでよね」
「はぁ?お前それでも同じクラスかよ」
俺は、こいつに出会ってしまった。
真剣な顔をして俺に頼み込んでくる杏は、本当にバカというかなんというか。
杏のことはもともと同じ中学だったから知ってはいた。男らの中でたまに上がってくる名前でもあったし。
なんだかんだ白石さんのことを無意識に目で追っていた俺は、ある日同じように高野を目で追っている杏を見つけたんだ。
なんとなく関わり始めたらいつのまにかここまで仲良くなってしまった。
最初は気持ちを隠していた杏も、開き直ったのか俺には笑顔で高野のことを話してくるし。