結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



夏休みに突入してはや2週間。



今日はママとパパが、おばあちゃん家に里帰りしていていない。



いつもはわたしも行くんだけど今年は結城くんが家にいるからわたしはお留守番することにした。



それにしても、

「ふふっ」



やばいよ、土曜日が楽しみすぎて顔がニヤけちゃうよ。



夜ご飯の準備をしながら一人ニヤニヤしているわたし。



こんな顔してたら


「ゆき。

さっきから顔がキモイ。ニヤニヤし過ぎ」



ね?


やっぱり結城くんに言われちゃった。



「いいじゃないですか!

土曜日にあやちゃんの家でお泊まりすることが決まってすっごく楽しみにしてるんですから」



わたしはリビングのソファーでテレビを見てくつろいでる結城くんの方を見て言った。



毎年恒例のお泊まり会。



去年はわたしの家でしたから今年はあやちゃんの家ですることになったんだ。



「楽しみだなぁ」


「なに?そんなに楽しみなの?」


「当たり前じゃないですか!それに……」



あやちゃんの家に行けばあの子にもあえるしね。



「それに何?」



結城くんは気になっているのかわたしを見て聞いてきた。



「亮くんに会えるからですよ」



わたしが結城くんの目を見て言うと、ピクリと結城くんの眉が動いた。


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