俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


「そうだよ。百音のカテゴライズだって、広瀬さんには当てはまらなかったし。だから……昨日、百音がなにを見たのか知らないけど、仲良くしてても、本当はどうかわからないよ?」

私をまっすぐに見つめてくる目は、心から励ましてくれているみたいだ。

「……なによ。私に意地悪しておいて、もう友達きどり?」

ちょっとおどけて言ったのに、愛海は「ごめん!」と本気で謝ってきた。

「ウソ、責めてないよ」

心から許せるのはもう少しさきになりそう。それでも、愛海の言葉に励まされたのは本当だから、やっぱり友達でいたい。

「あ、あと……笹倉さんのこと、報告しておくね」

愛海は姿勢を正して、私に向き直った。

「報告? ちゃんとフッたの?」

「ううん、その逆。付き合うことになった」

一瞬、思考がついていかず、ランチを食べ進めていた手が止まる。

「え? 付き合う?」

「そう。一回、ご飯に行ってみたらいろいろ私が好きなものとかリサーチしてくれてて、一生懸命さにキュンとしたというか。慣れてない感じも可愛いとか思えてきちゃって、付き合うことになりました」

「あれだけ、拒否してたのに……」

笹倉さんがそれだけ頑張ったのか、それとも愛海がちゃんと彼の良さに気づいたのか。わからないけれど、幸せそうな笑顔に私まで嬉しくなる。

「やっぱり人ってわからないね」

苦笑する私に、愛海は肩をすくめて恥ずかしそうにしていた。


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