俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


そうしてやってきた週末。気分はまだ晴れてはいなかったけれど、今日は涼真が行きたいところがあるというので、一緒にでかけることにした。

「行きたいところってどこ?」

迎えに来てもらった車に乗り込むと、赤信号で停まった涼真にたずねる。窓の外はもう夏の暑さを孕んだような陽射しがあり、見ているだけで汗がでてきそうなほど。

「んー、水族館行ったり、ショッピングしたり、夜景見たりしたいなって。ほら、そういうロマンチックなデート飛ばして、アクティブなことばっかりしてたからさ」

そう話す涼真の横顔は心を弾ませているみたいで、ロマンチックなデートコースも私に気を遣ってくれたわけじゃなくて、自分も楽しんでいるのが伝わってくる。

「夜景行くなら、せっかくだから涼真が設計したところに行きたいな」

「お! いいよ。じゃあ、橋に行こうか。まぁ、全部が全部俺ってわけじゃなくて、先輩に手直しされてるけど。ちょうど、期間限定でいつもと違うカラーになってるから」

「うん、それがいい」

涼真がたずさわったものを見て、少しでも彼の仕事を理解したい。この想いは、やっぱりあの後輩の女の子のせい?

……違う、そうじゃない。涼真をもっと知りたいという気持ちからだ。

頭の中にちらついた女の子を振り払うと、もう一度運転する涼真の横顔を見つめた。

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