俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


まっすぐに向けられた言葉に、一瞬上崎さんが怯んだ。

「そりゃ大事じゃないですか? それに、僕は仕事柄重要でもあるんですよ、情報を仕入れて判断するという……」

「なら、俺は自分の目が大事です」

じっと上崎さんを見つめたままの涼真は、それこそ上崎さんの本性を見透かしているようだ。

「目の前にいる彼女が大事だ。だから、誰かの言葉より百音のことを信じたい」

「涼真……」

「それに、仕事柄っていうなら、見極めるのは自信あるんで」

一級建築士の涼真なら、それこそ建物を見たら図面までわかるのかもしれない。

「あと、こう見えて好きなものはずっと好きでいるほうなんです。百音のことは諦めて、ほかの女性を探してください。百音の良さをわかろうともしないアンタに、百音を渡す気はない」

涼真が強い口調で言い返してくれる涼真に、嬉しくて涙が出そうになる。こんなに無条件で私を信じて、守ってくれる人ってほかにいないんじゃないのか。

そんなまっすぐに向き合う涼真に、嫌気がさしたように上崎さんはため息をついた。

「そうですね、わざわざ彼氏がいる面倒くさい女性に手を出す理由もありませんし、ほかを探します。……あとで痛い目見ても知りませんからね」

そう言って、私たちに背を向けると駅のホームへと去って行った。


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