俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
なんだ……、資格がない私たちのことを見下していたわけじゃないんだ。
ずっと笹倉さんはそういう人だと思い込んでいた。いまやっと、誤解が解けた。
「私がアドバイスできる立場じゃないですけど、ストレートに誘うと案外うまくいくかもしれませんよ」
「な、なるほど」
「あ、あと……こういうサイトもありますので」
ポケットに入れていたスマホを取り出して、いつも自分が見ている男性を見極めたり、好かれる方法が載ったサイトの、男性向けバージョンを教えてあげる。
「こういうものもあるのか。ありがとう、勉強になるよ」
ズレてもいないメガネを再び押し上げると、自分のスマホを取り出した。さっそく、検索しているみたいだ。
「百音、すごいね。どうしたの?」
席に戻ると、ずっとこちらの様子をうかがっていた愛海が驚いて目を瞬かせていた。
「決めつけはよくないかなって……ちょっと話しかけてみただけ。そしたら、やっぱり女性が苦手なだけだって言ってたよ」
仕事のときの説明も、さきほどこちらを見ていたことも教えると、愛海も納得していた。