笑顔でいいの?
カランコロン。

扉が開く。

「すみません。
今日は、おやすみで………」

笹兄の言葉に被せて

「………………咲々。」って。

「……………………聡兄………………。」

「……………………あなた。」

聡兄だった。

「どうして………ここに……………。」

「咲々、帰るぞ。」

私には目もくれない聡兄。

「嫌、咲ちゃんと一緒にいる。」

そこで初めて、私を視界に入れてくれる。

憎しみを込めたような視線。

怯みそうになった私の肩を抱いてくれたのは………圭ちゃん。

ポンポンと肩を叩かれる。

「はじめまして。
今日は、奥さまをお呼び立てして……すみませんでした。
姉妹二人で話し合いたいということで………
お時間を作って頂きました。」

圭ちゃんの挨拶に

「貴方ですか?妻を連れ出したのは。
妻は、体調が不安定なので連れ帰ります。
今後一切、関わらないでもらえますか。
咲々、行くぞ。」

咲々の腕を掴むお兄ちゃんに

「聡兄!止めてあげて。
咲々…………悩んでるみたいなの。」と。

私の言葉に視線を送り

「もう俺達に関わるな!
俺達の前に姿を見せないでくれ。」って言われた。

関わるな。

姿を見せるな。

……………………………………。

嫌われてるのは………分かってた。

でも…………

姿を見るのが嫌な程………憎まれていたとは………。

初恋の人のそれは…………辛い。
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