笑顔でいいの?
「…………………………………。」

何も言わないお父さん。

重い沈黙を破ったのは…………今回も咲々。

「お父さん、おかえりなさい。
ごめんね、びっくりしたよね。
私が咲ちゃんに逢いたくて、連絡したの。
………………………私達家族は……
咲ちゃんを傷つけて苦しめてきたから…………謝りたかったんだ。
自分が親になって…………
改めて、酷いことをしたって思ったから。
新しい命が生まれる前に……………
私達は、咲ちゃんにちゃんと謝らないとって思って。
お父さん、お母さん。
私が病気になったのは……咲ちゃんのせいじゃないって分かってるよね?
もう一人の大切な娘に…………酷いことをしたって思ってるでしょう?
ホントは………後悔してたんだよね?」

咲々の言葉に、涙するお母さん。

顔を上げると…………

お父さんも肩を震わせていた。

ありがとう、咲々。

もう、十分だよ。

「お父さん、お母さん…………」

『ごめんなさい』を言う前に……

「咲…………………すまなかった……………………。」と

お父さんの言葉を聞いた。

…………………………すまなかった………。

ホントにこんなことってあるんだ………………。

圭ちゃんの手をぎゅっと握った。
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