死にたいと思ったその時、君には死ねる覚悟があるのだろうか。
1章

7時50分

4月24日


朝起きて。準備して。いつもの道をかけていく。学校へ入り席に着く。きっとこのまま今日も昨日と同じように当たり障りない生活をし、帰る。誰もがそう思っているだろう。


クラスでは目立つ方ではないし、これと言った特技もない。周りからの冷たい視線。笑い声。その全てがもうどうでも良くなった。



なぜならもうすぐ僕はこの世界からいなくなるのだから。



やり残したことも、これからの目標もない。先日彼女には振られ、いまだ友達もできず、さらには両親の離婚で僕の気持ちはどん底だった。やっとこの生活に終止符が打てるのだと思うと、嬉しくて思わず笑みがこぼれてしまう。その時

「うわ…拓未のやつ一人で笑ってるよw」

「本当だwよっぽど友達がいなくて寂しいんだな」

今まで関わることのなかったクラスメート達。なんとでも言うがいい。僕がいるこの世界はあと1日もないのだから。そんな陰口や悪口なんてどうでもいい。もちろん最初は気にした。なんとも言えない不快感、悲しみ、僕の何がそんなに気に食わないのだろうか考えたこともあった。
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