私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
「……」

「おやすみのちゅーは?」

いつまでたっても頬にキスしない私の顔を、佑司はのぞき込んだ。

「……」

「じゃあ今日は、俺がするー」

のぞき込んだままちゅっと唇を触れさせ、離れるとおかしそうにふふっと笑った。
その笑顔で機嫌が直っている自分がいる。

「おやすみ、チー。
いい夢を」

いつものように私を抱き締めて佑司が布団に潜る。
珍しく今日は、彼の方が先に寝息を立てだした。
接待でよっぽど、疲れたのだろう。

「おやすみ、佑司」

その額に落ちかかる髪を払って、身体を寄せる。

少しずつ佑司を知って、少しずつ佑司に好意を抱いていく。
駿のときとは違う感情。
これが恋、なんだろうか。
そう、だったらいいな。
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