私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
彼のぬくもりにいつの間にか慣れていた。
だから今日は――こんなに、寒い。

「もー、いーから早く寝よ」

寒くないように布団にぐるぐる巻きになる。
佑司、早く帰ってきて……。



土曜日はお昼前から出かけた。
電車で街に出たから、佑司に知られたら叱られるかもしれない。
でも出かけるときは常にタクシー、なんて贅沢はやっぱり気が引けるし。

最初に向かったのは――下着ショップ。
その、佑司が喜ぶような下着を買おうと思って。
いや、私のいまの下着はTバックや紐パンってこう、エロいラインナップになっていますが?
でもこう、ベビードールとかそういうのを着た方がさらに喜んでくれるかな、って。

「とはいえ……」

店頭で見ているだけであたまがくらくらする。
赤いバラが添えられた黒のブラとショーツのセットなんていかにもらしいが、白とかピンクとかの清楚な感じの方が燃えるとかいう話も聞くし。
佑司はどっちなんだろ?
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