私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
最終章 きっと、また
お昼前になって、ようやく佑司は帰ってきた。

「なんだ、まだいたのか」

それって、私に出ていってほしいってことなのかな……。

それ以上なにも言わずにキッチンに行き、冷蔵庫からビールの瓶を出した。
蓋を開け、瓶から直接ごくごくと、勢いよく飲んでいる。

「なあ。
なんでまだ、いるの?」

ソファーの後ろに立った佑司が、ぷはぁと酒臭い息を吐きかける。
彼からはお酒と汗と――知らない香水のにおいがした。
その鈍器のようなにおいに後頭部を殴られ、目の前が真っ暗になる。

「私はっ」

振り返ったら、佑司と目があった。
いつも私ばかり映していた瞳にはもう、私の姿は映っていない。

「……出ていく、から」

寝ていないせいでがんがん痛むあたまをこらえ、寝室へ向かう。
スーツケースに荷物を詰める私を、佑司は黙って見ていた。
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