私の赤点恋愛~スパダリ部長は恋愛ベタでした~
胸がきゅんと音を立てた。
ドキドキと速い心臓の鼓動。
いやいや、これはいま一瞬、京屋部長に一護の顔が重なって見えただけで。
でも。
けれど。

「……いい、ですよ」

自分でもなにを言っているんだろうとは思う。
苦手な京屋部長と付き合うなどと。
しかも私は恋愛感情など全くわからないのに。

――わからないからあのとき、あんなに後悔したのに。

「よかった」

これ以上ないほど京屋部長の顔が輝き、見えない尻尾がぱたぱたと勢いよく振られる。
その顔はやっぱり一護にしか見えない。
ならきっと、しかたないのだ。
一護は私の、最愛の人?犬?だったのだから。

こうして私はなぜか、苦手な俺様京屋様と付き合うことになった。
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