狐と鈴の音いつまでもฅ^•ﻌ•^ฅ
雅楽はそれから毎日神社に行ったが、いつも狐はいなかった。


それから狐が来ないまま3ヶ月がたった。


紅葉の季節もすぎ、辺り一面ダイヤモンドのような雪が積もるようになった。

雅楽はたとえどんなに雪が積もるようになっても、欠かさず神社に行った。
そんなある日、神社がいっそうと輝いて見えた。
雅楽は目をこすった。
目の前には、あの狐がいた。

しかし、前とは違って尾が九本あった。
体は美しい銀に染まり、光の光沢を放っていた。
そしてその隣には、居るはずのないおばあちゃんがいた。



実は、雅楽が家に帰ったあと、おばあちゃんの様子が急変し、三日後に亡くなってしまったのだ。
お葬式を済ませ、あとはほかの親戚に任せていた。
雅楽の家は親戚の中でも最もおばあちゃん家から遠く、あまりこっちにこられないからだ。
おばあちゃんは雅楽に微笑むと、

「この狐はね、心の綺麗な巫女にしか見えないんだよ。おばあちゃんも若い頃から狐が見えていて、巫女の中でも珍しい子供だったんだよ。」

と、言った。
雅楽は巫女をしていて、小さい頃からの家の伝統だと聞かされてきた。
雅楽は巫女の始まりを聞いてみた。


一族の始まりは、神の計画からだった。
心の綺麗なものにしか見えない白狐を森に放ち、それが見えた者を代々巫女にするというものだった。

雅楽は、そんな話はただの1度も聞かされたことがなかった。
最後におばあちゃんは、

「あんたには言えん秘密がまだある。でも、時期にそれもわかるだろう。」

そう言って、狐と共に消えてしまった。
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