あたしの背中の青い鳥
ショウゴは私を目に止め、すぐに視線を反らした。


試験始まりのチャイム。
2百人近くの学生たちの
一斉に紙をめくる音がした。




ズキン

また胸が嫌な音をたてる。

集中しないと。

けど、

心臓って色んな音を持ってるなぁって
ボーっと試験中考えた。

民法とか刑法とかじゃなくて、
心臓の音の鳴り方だとか
妄想恋愛だとか

ショウゴへの想いだとかを書く試験だったら
私は単位落とさずに済むだろう。

感受性の豊かさについてはピカイチなのだ。


なんてグダグダ考えていたら、目からはアイラインが溶けて
黒く濁った涙が垂れ、
試験用紙に何滴か染みが出来てしまった。




こんな私の想いを
ショウゴは
気付きもしないんだろうか

本格的に泣き出す前に

試験終了のチャイムが鳴った。


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