先生と準備室
ーー俺、何もできなかった…

と呟いたのも私は知らず、大倉先生

の去っていく背中を見ていた。

「藤井さん、吐いちゃおう?」

「…ヒック…吐けないッ…」

気持ち悪さが増えていくけど吐けない。

「藤井さん、ちょっとごめん。
我慢して」

そう言う中川先生を不思議に思い顔を

上げると、顎を持たれ、口の奥に

指を入れられた。

「んんんっ…!え!…ゴホッゴホッ…
ン…ハァ…ハァ。」

その瞬間に吐くことができ、少し楽になる。
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