インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
それからレストランを出て、駅までの道のりを八坂さんと一緒に歩いた。

この道をいつも尚史と一緒に歩いていたせいか、隣を歩いている八坂さんとの身長差とか、八坂さんの声や話し方にまで違和感を覚える。

本当に八坂さんと付き合うことになって一緒にいることに慣れたら、この違和感もなくなるんだろうか。

「デートは土曜日かぁ。うーん、でももっと早く会いたいな……。もし金曜日の仕事が早く終わったら、誘ってもいい?」

「たぶん大丈夫だと……」

「じゃあ返事はそのときに聞かせてくれる?」

「はい……」

どうせOKするなら早い方がいいとわかっているけれど、今日はもう私の気力も限界だ。

食事をするだけでこんなに疲労困憊するとは思わなかった。

金曜日に会って返事をするか、トークメッセージを送るのもアリだと思う。

駅に着くと八坂さんは電車の駅の少し向こうにある地下鉄の駅の入り口の方を指さした。

「じゃあ俺は地下鉄だからここで」

「あ……はい」

尚史とは家がすぐ近所だから家まで送ってもらうのが当たり前だったけど、近所でなければ夜の遅い時間でも駅で別れるのが当たり前なんだろうか。

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