インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
いくら結婚したとは言え、親と一緒に住んでいる家で娘と一緒に寝ていいかと親に聞くなんて、どんだけ強靭なメンタルの持ち主なんだ!

なんにもしなくても何か勘ぐられて、親と顔を合わすと気まずい思いをするのは私の方だと言うのに!

私の気も知らずに尚史は上機嫌で部屋に戻ってきて、私の唇に素早くキスをした。

不意打ちのキスに口から心臓が飛び出そうなほどドキッとしてしまう。

尚史って、さらっとこういうことをするんだ。

無自覚イケメン、恐るべし。

これは気が抜けない。

気を抜いたら激甘尚史に溺れてしまう。

「モモ、俺泊まっていいって。家に着替え取りに行ってくるから、逃げんなよ」

なんで許可したんだ、母よ?

ヘタすると一緒に暮らすまで毎日ここに泊まるとか言い出して、実家で同棲状態になるのでは?

アカン……それだけは避けたい。

毎日尚史の言動にドキドキしそうではあるけれど、親にニヤニヤされるよりはマシだから、早いとこ新居を見つけて引っ越した方が良さそうだ。

その夜私と尚史は一緒にベッドに横になり、抱きしめ合って何度も重ねたキスの余韻に浸って眠りに就いた。

尚史の腕の中で聞いた「おやすみ」の声は、とても優しかった。




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