インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
想像していたより気持ちよかったとか、ホントはもう少しああしていたかったと思うなんて、いつの間に私はこんなにいやらしくなってしまったんだろう?

なんかもう、やらしくてはしたなくて、恥ずかしすぎる……。

浮かれた尚史がこれ以上余計なことを言わないように、しっかりたしなめておかなければと、尚史の手の甲を思いきりつねった。

「いてっ!なんだよ、いきなり」

「外でそういう話しないで」

「別に誰も聞いてないのに」

「そういう問題じゃないの!尚史、お口チャック!」

「へーい……。じゃあ手繋いでよ」

私たちが結婚したことはすでにご近所さんに知れ渡っているようだけど、いい歳をして白昼堂々手を繋いで歩いているところを見られるのはさすがに恥ずかしい。

噂好きな近所のオバチャンたちに見られたら、顔を合わせるたびに『新婚生活はどう?』とか『新婚さんはラブラブでいいわね』なんてことを言われそうな気がする。

「それはちょっと……家の近所では恥ずかしいよ」

「なんで?俺は全然恥ずかしくないけど」

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