インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
旦那さんが心配するのも無理はない。

尚史だって私に危害を加えられることを恐れて、水野さんの言いなりになっていたんだから。

「その後も何かあったの?」

「それが何もなかったんだよね。私は念のために晴れた日でも毎日長い傘を持ってたんだけど」

「ああ……そういえばそんな時期があったっけ。でもなんで長い傘?」

「自分の身は自分で守ろうと思って、護身用にね。私、学生時代にずっと剣道やってたから。でも常に竹刀を持って歩くわけにはいかないでしょ?」

自分の身を自分で守ろうとするとは、佐和ちゃんはなんて強いんだ!

私がもし学生時代に水野さんにストーキングされていたことを知っていたら、怯えて学校にも行けなかったかも知れない。

「元カノは旦那さんのところには行ったの?旦那さんとヨリを戻したくて邪魔しにきたんでしょ?」

「だったらもっと早く来てるんじゃない?旦那のところには一度も来なかったらしいから、私に嫌がらせしたかっただけなのかもね。もしかしたら、自分が好きだった男が他の女と幸せになるのは面白くなかったとか……」

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