インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
冷静になったら面倒になって、やっぱりやめておこうと言うのかな?

「うん……なんかごめんね、面倒なことに巻き込んで。イヤなら今からでも断ってくれていいよ」

「うーん……別にそんなこと思ってないけど、カップルみたいにしろって言われても、俺もそれらしいことはしてこなかったから、どうすればいいのかがよくわからない。モモはどうすればいいと思う?」

誰と付き合っても長続きしなかったと言っていたからなんとなく想像はつくけど、尚史も恋愛に関してはほぼ初心者で、経験値は0に近いんだと思う。

「キヨは手を繋いでデートしろって言ってたけど……それ、私たちにとってはハードル高過ぎるよね」

「あれだな。冒険始めたばっかのときってレベル1で、丸腰同然の弱っちい初期装備で、もちろん経験値も0で、激弱の敵を倒すのにも一苦労じゃん?俺とモモは今まさにそんな状態で、王様から中ボスクラスの敵を倒しに行けって言われてるみたいな」

「ん?あー、そうだね。そんな感じ」

なんともゲーヲタの尚史らしい例えだ。

だけどロールプレイングゲームに置き換えると、私たちのおかれている状況がよくわかる。

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