インスタント マリッジ~取り急ぎ結婚ということで~
無事に結婚式を終えて着替えを済ませ、病院の近くの少しお高い中華料理店で両家の両親たちから『結婚のお祝い』と称して豪華な食事をごちそうになったあと、尚史の両親に車で送ってもらってマンションに帰りついた。

ゆうべの仕事の疲れも残っているのは否めないし、やはり二人ともかなり緊張していたのか、部屋に入るなり二人して無言のまま寝室に向かい、勢いよくベッドに倒れ込んだ。

「とりあえず……終わったね」

「ああ……一段落ついたな」

ゆうべはどうなることかと思ったけれど、人生の晴れ舞台を無事に終えることができて本当に良かった。

両親たちと光子おばあちゃん、伯父さん夫婦、友人たちの笑顔が脳裏によみがえり、とても幸せな気持ちになる。

「尚史、光子おばあちゃんの願いを叶えてくれてありがとね」

私がそう言うと、尚史は微笑みながら私の手をそっと握った。

「お礼言うのは俺の方だ。光子おばあちゃんのおかげで、ずっと好きだったモモと一緒になれたんだから」

尚史のその言葉で、車の中で話していたことを思い出した。

尚史が幼馴染みの私を異性として好きになったきっかけはなんだったんだろう?

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