雨上がりの恋
「頼人、ありがとね。」

後ろを振り返り、頼人の背中に向かって言った。

「おお。冷蔵庫勝手に開けるな。」

「あ、うん。他にも使えるものがあれば何でも使ってくれていいから。本当ごめんね。」

小さな胸の痛みを隠すように、頼人のいるキッチンから死角になったソファの背もたれに雪崩れ込んだ。

普段、ひざ掛けに使っている小さめの毛布が無造作に置かれていたからそれを頭からすっぽり被る。

多分、頼人が昨晩、掛けて眠ったのだろう。

わずかに彼の匂いがした。

それがまるで頼人に抱きしめられてるかのようで、余計に胸の痛みが膨らんだ気がした。
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