雨上がりの恋
『…美優』

遠くで誰かに名前を呼ばれた気がした。

よく知っているはずの声なのに、誰なのか分からない。

そしてなぜか切なくて胸がきゅっと締め付けられた。

『…美優…』

もう一度呼ばれて『悠…太?』と、私も呼びかけた。

なのに彼の名を口にした途端、私を呼ぶその声はパタリと聞こえなくなった。

どうして何も応えてくれないのか、と不安な気持ちに押しつぶされそうになったその時。

「おい…美優、起きろ。朝ごはん出来たぞ。」

と突然、微睡む意識の中に聞こえたその声は、間違いなく頼人の声だった。
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