雨上がりの恋
「いえ。家も近所なので気にしないで下さい。それに僕たちの中で美優さんは妹思いの優しい、しっかり者のお姉さんですよ。」

「あら、美優が?」

本当なの?と私に半分疑いのまなこの様な含み笑いを向ける母。

親の手前、嘘だとしても褒められる事に多少の照れ臭さと抵抗は感じる。

そんな私の気持ちを知るはずもない陸は、小さな両手を使い私の頬をプニプニ触りながら遊んでいた。

それに確かに頼人の家は近所も近所。

ここから徒歩数歩で行ける隣マンション。

まさか自分が頼人のご近所さんになるとは思ってもいなかった。

去年越してきたばかりのここは、両親が用意した家だから。

それもこれも、先に言ったように上京してくる妹と私を一緒に住まわせるために。

しかも私がその話を聞いた時は、既に決定事項となっていて、このマンションも契約された後だった。

そして当時私の住んでいたアパートの不動産にも、次回の契約更新はしない旨が伝えられていた。

そんなこんなで有無を言わせてもらえなかった私は、頼人のご近所さんになったのだ。
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