罪あることの荒唐
「良くなるどころか、私の目からは悪くなっているように見えました」
「──帰る」
「え?」
よく聞こえずユタは聞き返す。
「帰る! ジル! 今すぐ帰ろう!」
「ちょ!? おいツム! やめろ」
「ハツムギ様! いけません」
そうだ──王女の名はハツムギだ。娘の幸せを願ってつけられた名前。そこから仮の名をツムにしたのか。
ユタは思い出し、ツムの腕を掴んで止めるジルファリドを視界全体で捉えた。
「いま、戻ったとしても追い返されるか。悪くすれば命を奪われかねません」
とにかく、摂政は信用できない。今も王女を探しているはずです。
「今は耐えてください」
「父上……必ず、助けるから」
ツムは体を震わせ、ジルファリドの腕にしがみついた。
***
「──帰る」
「え?」
よく聞こえずユタは聞き返す。
「帰る! ジル! 今すぐ帰ろう!」
「ちょ!? おいツム! やめろ」
「ハツムギ様! いけません」
そうだ──王女の名はハツムギだ。娘の幸せを願ってつけられた名前。そこから仮の名をツムにしたのか。
ユタは思い出し、ツムの腕を掴んで止めるジルファリドを視界全体で捉えた。
「いま、戻ったとしても追い返されるか。悪くすれば命を奪われかねません」
とにかく、摂政は信用できない。今も王女を探しているはずです。
「今は耐えてください」
「父上……必ず、助けるから」
ツムは体を震わせ、ジルファリドの腕にしがみついた。
***