罪あることの荒唐
 
 ──それから、落ち着いたツムは二人に笑顔を見せる。強がっているのは解るけれど、二人には何も言えなかった。

「それで、これからいかが致します」

「まずは西の国を目指す」

「ユタ殿が首領に頼まれたという、ユリなる女性を探すのですか」

「ジル、さっきも言ったよね。その殿っていうの、だめだからね」

「申し訳ない」

「それもだめ! 僕はツムで、ジルはー……ルド!」

「──ルド。ですか」

 王女であることも、二人が罪人であることも隠さなければならない。これは、かなり難儀な事だとジルファリドは溜め息を吐いた。

 西の国はその名の通り、国の西にある。そこまで辿り着く事が出来たなら、警戒も緩むだろう。
 ここはまだ城に近く、西の国までは数週間はかかる。

 理由があって西の国に向かうにせよ、今よりも落ち着ける場所でしばし鋭気を養い、今後について話し合うのが得策であろう。
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