未来の約束
「少し空気読めよ」

「読むほどの空気ありましたっけ?」

「少なくとも、さっきのお前の発言は間違いだ」


間違いなら、体を重ねた時点で犯している。


「まだ、帰るなよ」

「なら、もう少し寝ます」

「あぁ。そうしてくれ」


ポンポンッと優しく頭を撫でられ、それが心地よくて再びあたしは夢の中へと落ちていった。

再び目を覚ました時には、隣に桐島の姿はなかった。

脱ぎ散らかした服を諦めて身に付け、寝室を出る。

どうやら持ち帰った仕事をし、ダイニングテーブルでそのまま桐島は寝てしまったのだろう。

そんな桐島に同情し、寝室にあったタオルケットをそっと掛ける。

そして玄関の棚に置いてあった部屋の鍵を借り、部屋を出る。

戸締まりをし、ポストの中に鍵を落とすと、あたしはその場を後にした。

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