未来の約束
いつもの日常が始まる。

決まった時間に起き、決まった時間に家を出る。

そして決まった時間の電車に揺られ、会社に向かう。

これが、あたしの日常だ。

ただ、今日は違う。

決まった時間に起き、決まった時間に家を出るまでは良かった。

だがマンションを出ると、見覚えのある車とその車に寄りかかり腕組みする運転手がいた。

なぜ、彼はここに?

あたしに気づいた男は、大股でこちらに向かってくる。


「おはようございます」


ありきたりな挨拶を、とりあえず口にしてみる。


「あぁ」


挨拶したんだから、そちらも挨拶くらい返しなさいよ。


「お前さぁ、勝手に帰んなよ」

「寝てたし。それに戸締まりも、ちゃんとしたし」

「そういう問題じゃなくて」


はぁ~。と、桐島は盛大なため息を溢す。

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