未来の約束
それでも、こんなあたしのために必死になって戦う戦友や生きててくれと望む親のために仕方なく歩幅を合わせてきた。

現実を受け止め、失望して無駄に傷を背負わなくていいよう、あたしは諦めながら生きていたのに・・・

桐島と一緒に過ごすようになってから、明日(未来)に期待するようになった。

このまま再発もなく、近い将来桐島と生きる未来がくるのではないか?

なんて、愚かな夢まで見そうになっている。

夢を抱きながら最期を迎えるのは、悪いことじゃないのかもしれない。

だけど美香さんや樋口のことを傍で見てきたあたしからしたら、それは残酷だよ。

残す方にとっても、残される方にとっても・・・

< 88 / 189 >

この作品をシェア

pagetop