世界No.1の総長と一輪の花
それから私は康さんの車に乗って1人で帰る。
1人で乗る車はやっぱり広すぎて…2人で乗っても広すぎるけど……
なんだか寂しい。
なんでこうも運が悪いかな…
信号で止まったところで見えたのはまた黒スーツ姿の詩優。
……1人?
と思ったら…走って詩優に抱きついた茶髪の綺麗な女性。その女性は黒いワンピースに身を包んでいて、誰もが見とれてしまうような容姿。多分以前見かけた女性と同じ人。
…何で…また……
そして女性はするりと詩優の首に手を回して、ぐいっと顔を近づける。
……え…
見たくない…
でも、嫌でも目が離せなかった。
2人は数秒動きを停止したかと思ったら、一旦離れて詩優は女性の腰に手を回して歩き出していた。
頭が真っ白になる。