世界No.1の総長と一輪の花
「…冬樹くんが急にキスするから…………」
「……俺とそいつ、どっちが好き?」
何でそんなことを聞くんだろう。そんなの詩優に決まってるのに……
私はわざと考えるフリをして、
「…冬樹くん…」
と答えた。
私をもっと欲しがって
嫉妬して
なんていう感情があったからそんなことを言ってしまっただけ。
「…………まじで抱く」
詩優はそう不機嫌そうに呟いてから自分のワイシャツと中に着ていたTシャツを脱ぎ捨てた。
私の両手を拘束するように指を絡めて、布団に押し付ける。
耳元にそっと顔を近づけられて、「浮気者」と囁かれた。それだけの言葉なのにあまりにも甘い声だったからビクっと体が跳ねた。
「ひゃっ」
耳を優しく食んで、首筋に舌が這う。
熱い舌が首筋を這うからゾクゾクして、でも嫌じゃなくて……体が熱くなっていく。
「他の男の名前呼ぶの禁止。他の男の前で赤くなるの禁止。手ぇ出されるの禁止」
だんだん下へと移動して、鎖骨にキス。それから胸元にキス。お腹にキス。