世界No.1の総長と一輪の花
私は立ち上がって詩優に小声で「もう帰るね」と伝える。私がここにいても申しわけないし…
「待って」
パシッと腕を掴まれる。
わけがわからず私は固まった…
『俺らはその先客の女の子に会いに来たの!!』
とモニターから男の人の声がする…
……私?
「…何で知ってんだよ」
と詩優は言う。
『詩優が女の子拉致ってくの見たんだよ!!いいからー!!あけろー!!』
ドンドンと扉を叩く音がする。
「…えと……私は全然…」
ちらっと詩優を見る。「…わかった」と言って詩優は玄関の扉をガチャ、と開けた。
バタバタ、とこっちに向かって走る音…
勢いよく部屋に入ってきたのは赤髪の男。
両耳にたくさんのピアス……
「…は、はじめまして…」
「あー!!この間の援交美女!!!!!」
……見られてた…
「大声を出すな。倫也(りんや)」
もう1人、真面目そうな男の人が部屋に入ってきた。
黒髪で青メッシュ、青い眼鏡
「あ!俺は旗本 倫也(旗本 倫也)!んでこっちの真面目眼鏡が二ノ宮 竜二(にのみや りゅうじ)!俺らは幹部なんだよ!よろしく!!」
………かんぶ?
「あーーーーーー待て待て待て待て!!!!!」
詩優は私と倫也さんの間に割って入る。